書店や図書館では膨大な数の本がありますよね。読書感想文を書こうとしても、どんな本を読んでいいのか分からない、迷ってしまうという高校生も多いと思います。今回は太宰治の「人間失格」をご紹介します。

「人間失格」は最近では「デスノート」の小畑健が文庫の表紙イラストを担当して話題になったこともありましたね。読んだことがないという高校生でも、名前は知っているという方も多いのではないでしょうか。

 高校生のための読書感想文の書き方とコツ 高校生「人間失格」の読書感想文はどう書く?

 読書感想文に「人間失格」がオススメの理由
 「人間失格」のあらすじ
 「人間失格」の作者・太宰治について
 「人間失格」の読書感想文を書くときのポイント



高校生の読書感想文に「人間失格」がオススメの理由

「人間失格」は太宰治の代表作であり、中・高校生時代のいわゆる思春期に読むと「ダザイ病」はしかのようにかぶれる、と言われるくらいに影響力のある重い作品です。読書が苦手な高校生にはちょっと難しい本かもしれません。

それでも高校生の読書感想文に「人間失格」をオススメするのは、この時期に読んでおいて損はない作品だからです。人生に悲観的になったとき、どうしていいか分からなくなったとき、自分に自信が持てなくなったとき、この本が助けになるかもしれません。

「人間失格」は難しくて読めない、というときには映画化や漫画化もされているので、そちらを先に見てみてもいいでしょう。作品を理解しやすくなると思います。

太宰治の作品は「人間失格」の他にも「女生徒」や「新樹の言葉」のような読みやすい短編もあります。「走れメロス」も有名な短編ですね。本を読む時間は短い方がいい!という高校生はこちらもおすすめです。

「人間失格」のあらすじ

「人間の生活というものが、見当つかない」という男が道化を装い生きていくうちに、酒と女に溺れて身を持ち崩し、最後には友人に騙される形で精神病院に入れられ、「人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。」「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」と独白する。

「人間失格」の作者・太宰治について

「人間失格」はあくまでフィクションですが、作者である太宰治の自伝的小説・遺書的小説とも言われています。主人公の造形は太宰治自身と共通するものが多いのです。

太宰治は端正な顔立ちの美貌の持ち主であり、金持ちの息子であり、学生時代には道化を演じ非合法運動に参加し、自殺未遂を繰り返し、「人間失格」を完成させたのち新作「グッドバイ」の連載中に女性と入水心中をして一生を終えました。

太宰治の人生と人となりについて知ることで、より深く「人間失格」を読み込むことが出来ると思います。

「人間失格」の読書感想文を書くときのポイント

①「恥の多い生涯」の”恥”とは何なのか
②「罪」という言葉の反対語は何だと思うか
③「人間失格」とはどういう意味なのか
④「道化を演じる」ことについてどう思うか
⑤「神様みたいないい子でした」という言葉の意味は何か

このようなポイントに注目して感想をメモやふせんに書き込みながら、本を読んでいきましょう。

自分と主人公である葉蔵の共通点があるか、自分は道化を演じたことがあるか、自分ならどう行動したかなど、自分と比較したり自分の体験に引き寄せながら感想を書くといいと思います。